早産の新生児に必要な看護ケア

早産で小さく産まれた新生児や持病を持って産まれた新生児は、看護ケアを行う必要がある。温かい子宮内から出てきて不安な状態にある赤ちゃんのストレスを緩和するためには、ディベロップメンタルケアを行うのが効果的だ。ディベロップメンタルケアとは、新生児集中治療室(NICU)の中にいても外的なストレスを限りなく抑えた環境を提供して、成長や発達を促進するケアである。

ケア方法は何種類かあるが、代表的なのはNICU内を音と光の刺激を和らげて、子宮の中に似た環境を作る方法だ。さらに子宮の中にいたときの姿勢に近づける「良肢位保持」を行い、睡眠覚醒リズムに沿ったケアを実施すると効果的だ。そして、赤ちゃんの体に優しく触れるタッチケアには覚醒や行動を活性化させる効果があり、抱っこを意味するホールディングには安静を促す効果がある。

母乳を直接飲むことは難しいため、母乳を綿棒に含ませて吸わせてあげるケアも行われる。母乳から免疫物質が取れて感染を予防する効果が期待できる上に、母乳の味や匂いで赤ちゃんが安心感を得られる。状態が落ち着いたら、赤ちゃんをNICUから出し両親に縦抱きしてもらうカンガルーケアを実践すると、双方のストレスが緩和できる。このとき素肌同士を触れ合わせて抱っこすると赤ちゃんの体温が保たれ、呼吸も安定する。新生児ケアだけでなく、家族のケアも併せて行うのが一般的だ。病院によって方法は異なるが、NICUで過ごす赤ちゃんのおむつ替えや授乳などができるよう支援したり、臨床心理士がカウンセリングしたりするケア方法が挙げられる。